漁業権
私自身、漁業法を正視したこともなく、ほとんど無知でした。漁業権というのは、ただ「漁業者が漁業を営む権利」とぐらいに考えていました。
しかし、実際の漁業権とは、「行政庁の免許により、一定の水面において排他的に一定の漁業を営むことを得る権利」であり、それどころか、民法第709条の「不法行為による損害賠償請求権」や漁業法第143条の「漁業権又は漁業組合員の組合員の漁業を営む権利を侵害した者は二十万円以下の罰金に処する」「前項の罪は告訴を持って論ずる」という法律まであり、トラブルの際には、これらが適用される可能性まであります。
漁業権には、定置漁業権、区画漁業権、共同漁業権の三種類があり、これらは「海洋台帳」などの公的資料で確認できます。
基本的にプレジャーボートでの釣りは、休日を楽しむためのもの、それが釣りをしてて漁業者から怒鳴られては休日も台無しです。そして、トラブルの大半はボートオーナーの認識不足からきていることも少なくありません。
共同漁業権の設定されたところへは極力入らず、怒られても、すみやかに退去すれば良いのです。無用な言い争いなどのトラブルをおこさないようにすることが、まずは私たちのあるべき姿であり、このようにしてプレジャーボート全体のモラルが向上し、お互いの立場を尊重し合えるようになってこそ楽しくボート遊びができるのではないでしょうか。
このように法律や条例等々の類を調べ出すとかなり複雑です。しかし、決まりは決まりですから、こちらも「知らなかった」では済まされないのです。漁業法などはプレジャーボートなど無い時代に出来た法律ですから、プレジャーボートの存在も無視されています。大切なことは、今ある規則をしっかり認識し、お互いのことを理解することが一番大切ではないでしょうか。